顕在化しつつある地盤補強・改良工事の主な問題点【 資産目減り問題編 】
- 平成15年1月に改正施行された土地評価に関する方針に関しては、お聞きになられた事はありますか?
- 鑑定時に、「土壌汚染」や「埋設物」の有無をチェックし、もし発見されれば、撤去費用等を割り引いて算定されるとう方針です。大型物件を中心に適用が開始されています。
実際のところ土壌汚染対策法施行に伴い、「土壌汚染区域に指定された土地の担保としての評価額をゼロとする」とう方針を出した銀行が出てきて話題になりました。
又この後も、いくつかの銀行で、同様な指針をとるに至っています。
新聞・雑誌等メディアの方も、その時起こった事件を取り上げるだけでなく、特集を組んだりしています。
土壌汚染のみならず、土地売買後の地中埋設物を巡って、裁判になったという事例もあります。
実際にあった判例をご紹介しましょう。
マンション用地として土地の売買契約が締結されましたが、土地中に埋設基礎等の障害物が存在した場合について、土地に隠れた瑕疵が認められ、上記瑕疵による損害として、障害物の撤去費用相当分の損害が認められた事例です(東京地裁平成10年11月26日判決)。
- 原告は、
・中高層マンションを建築するために本件土地を購入し、被告もそのことを知っていました。
・地中に杭、基礎等が存在することを知りませんでした。
- その除去には、高額な費用を必要とされていました。
- だから、裁判所は、中高層建物を建築する予定地であれば通常具備しなければならない品質性状を欠くものであると判断しました。
- 結果、原告の損害額は、上記撤去に要した費用合計金3,090万円と認めるのが相当であるとの判決をくだしました。
一般住宅でも安心してはいられません。
セメント系改良から六価クロムが環境基準値以上検出された場合には、鑑定時にも不利に働き、浄化する場合にも右図の様な金額が必要になってきます。
セメント系改良や鋼管杭等の地盤を強くする為に行ったにもかかわらず、地盤の中に形成された物が地下埋設物と判断され、土地評価下落の原因になります。
撤去費用の方も一般の住宅では、施工をするのに掛かった費用、つまり地盤改良をする際の費用の4〜5倍掛かると言われています。
100万円の地盤改良をした場合には、400〜500万円程の除去費用がかかる可能性も軽視出来ません。 |
(東京都 浄化企業K社 見積りによる)
※ただし、上記金額は、更地状態での浄化費用であり、汚染された土地の上に家屋が存在し、引き屋などの必要性がある場合は、その分の費用が加算される形となります。
また、汚染深度や現場状況によってもコストは大きく変わってきます。
|